プラズマローゲンと認知症

プラズマローゲンとは

 

プラズマローゲンとは抗酸化作用を持ったリン脂質の一種です。プラズマローゲンは哺乳動物の組織に存在し、人体のリン脂質の約18%を占めています。特に、脳神経細胞、心筋、リンパ球、マクロファージ等に多く含まれ、プラズマローゲンには、抗酸化能など細胞の根元的な機能をコントロールする事が分かってきました。

 

最近の研究で、アルツハイマー病患者の血液では、プラズマローゲンが減少している事が報告されています。プラズマローゲンを補給することで脳内の情報伝達がスムーズになり、脳疲労を予防し緩和することができるかどうか、さらに研究が進められています。

 

 

プラズマローゲンの機能の中で一番有名なのは抗酸化機能で、細胞が酸化ストレスを受けた時に最大の防衛機能を発揮しているのが、このプラズマローゲンではないかと言われています。

 

さらにコレステロールを排出する役割や神経伝達物質の前駆体としての機能を持っていることも分かっています。

 

プラズマローゲンと認知症

 

認知症の中でもっとも多いアルツハイマー病の研究は、患者の脳内に異常に蓄積するタンパク質「アミロイドβ」や「タウ」に関するものが中心でした。

 

プラズマローゲンに関しては、20世紀末にアメリカで、アルツハイマー病患者の解剖された脳で減少していることが明らかになり、その後カナダや我々のチームが、生存中の患者血液で減少している事を見つけました。私は長年の脳疲労の研究から、プラズマローゲンが脳疲労、認知症のカギになると考えるようになりました。

 

そこで、国のプロジェクト研究として、プラズマローゲンの抽出・精製から始めたのです。それは予想以上に困難を極めましたが、幸いにも研究チームの馬渡志郎博士がそのほとんどすべてを突破する発見をし、2009年、ついに高純度のプラズマローゲンを大量抽出・製造することに世界で初めて成功したのです。彼は、九州大学の同期で脳神経・赤血球膜の生化学的研究に関しては世界的権威です。これで一挙に動物、ヒトへの投与が可能になりました。

 

その結果、九州大学医学研究院( 片渕俊彦准教授) とレオロジー機能食品研究所における動物実験( アルツハイマー病モデルマウス) で、プラズマローゲンは@海馬の神経細胞を新生するAβアミロイドによる認知学習障害を改善するB神経炎症・βアミロイドの蓄積を防ぐ事、及びそのメカニズムが明らかとなりました。

 

そこで、今度は2013年に、福岡大学医学部( 坪井義夫教授、合馬慎二助教) と共同でアルツハイマー型認知症40人を対象に単盲検臨床試験を実施。プラズマローゲン1r投与群では、プラセボ群に比べ統計的有意に認知レベルの向上が見られました。その後、レビー小体型認知症や意味性認知症でも改善例が見られています。

 

(引用:九州医事新報/藤野武彦理事長)